『自分と社会をいい感じにする 仕事技芸論』発刊します!
2026.09.18更新
本日9月18日(金)、『自分と社会をいい感じにする 仕事技芸論』が公式発売となります!
本書の著者は、システム業界で、「納品のない受託開発」、全社員リモートワーク、オフィスの撤廃、管理のない会社経営など新しい取り組みを次々行い、注目を浴びている経営者でありプログラマの倉貫義人さんです。
プログラミングを愛する倉貫さんは、プログラマたちの仕事が「一人月」という単位に換算され、「労働」になってしまう構造に疑問を持ち、ソニックガーデンを創立されました。上記の経営の取り組みは、そんな問題意識から生まれてきた実践の数々です。
できるだけコスパよくお金を稼ぐことをめざすなら、AIが席巻するであろうこれからの時代、働くことの意味も必要性も失われていくのかもしれない。けれど、そうではない働き方が、今も昔もこれからも、あるのではないか?
その「そうではない働き方」を探って倉貫さんがたどりついたのが、「技芸」という捉え方でした。
規模でなく熟達を追えば、「仕事はおもしろい」。
これが、本書を貫くテーマです。
「はじめに(抜粋)」を公開します
ここで、本書の「はじめに」の一部を抜粋して、公開いたします。
はじめに(一部抜粋)
「一番伝えたいことは何ですか」
ミシマ社の三島さんから、こう問われたことがある。私の答えはこうだった。
「いい仕事をしたい。そして、いい仕事をすれば、仕事はおもしろい」
シンプルだが、これが私の本心であり、本書を貫く核でもある。
ここ数年、「仕事は必要悪だ」「仕事は減らすべきだ」という空気が強くなっている。たしかに、消耗する仕事も世の中には多い。
大きな事業の中で、分業された一部分だけを担う仕事。自分が何のために手を動かしているのか見えにくく、全体の成果を実感できない。お金は入るけれど、何かが消耗していく。仕事を減らすべきものとする空気は、こうした経験から生まれているのだと思う。
そういう仕事が悪いわけではなく、構造的に仕事のおもしろさを感じにくい状態に置かれてしまっているのである。その状態では、結果だけ効率よく得たいと考えるのは当然だ。コスパやタイパを求めるのもわかる。人間関係だって煩わしいだけだろう。
しかし、世の中には、おもしろい仕事もある。
最初から最後まで自分で手がけて、プロセスそのものに充実がある仕事。終わった後に、お金だけでなく、経験や技や手応え、豊かな人間関係や思い出が自分の中に残る仕事。そういう、自分をいい感じにして、結果的に社会もいい感じにする仕事をしていくには、どうしたらいいのか。本書ではそれを考えていきたい。
人生の大半を費やす活動が、ただ耐えるだけの時間になってしまうのは、あまりにもったいない。そう思うのである。
「労働」から「技芸」へ
本書の問いは一つ。なぜ、「仕事はおもしろい」と言えるのか。
私の答えは、「仕事を技芸(Arts and Crafts)としてとらえる」ことにある。
技芸とは、「技」と「芸」のあいだにあるもの。再現性を重んじる「技術」と、感性と自由を求める「芸術」の中間に位置する。型を磨きながら、自分の表現へと昇華していく営みだ。
十九世紀末のイギリスでは、ウィリアム・モリスらが「アーツ・アンド・クラフツ運動」を提唱した。産業革命によって人間が機械の部品のように扱われるようになった時代に、職人の手仕事と美しさを取り戻そうとした運動だ。
本書で提唱する「仕事技芸論」は、その現代版にあたる。情報革命とAIの時代に、私たち働く人間が、ただの労働力(Labor)として消費されるのではなく、技芸(Arts andCrafts)を磨く存在として生きるための提案である。
私自身、これまでの活動や著書を通じて、いくつもの実践と提案をしてきた。「納品のない受託開発」「リモートワーク」「ザッソウ」「セルフマネジメントで動く組織」「プログラマを一生の仕事にする」。これらは別々の話題に見えるかもしれないが、底には共通する一つの思想がある。それが「仕事を技芸とする」という考え方だ。
私たちの会社ではこの理想を、長く「遊ぶように働く」と呼んできた。仕事に没頭する姿が、傍はたから見ると遊んでいるように映る、という意味である。ただ、この言葉は「遊び」のほうが前に立ちすぎて、誤解されることがある。本書では、より仕事の側に重心を戻した「技芸」という言葉を選んだ。両者の指しているものは、同じである。
本書は、その思想を一つの体系として書き下ろしたものである。
仕事をするすべての人へ
本書は、仕事がおもしろいと感じている人と、仕事がおもしろいと感じられずにいる人、そのどちらにも届けたいと願って書いた。
仕事に夢中で取り組んでいるのに、それを口にしづらい時代に生きている人へ。「自分はおかしくなかった」と思ってもらえたら嬉しい。
仕事はつまらないものだと思っている人へ。仕事には別の姿もあるのだということを、知ってもらえたら嬉しい。
仕事が技芸になったとき、働くことと遊ぶことの境界はなくなる。そして、自分も社会もいい感じになる。それが私たちの理想形である。
その理想をともに語り合うための一冊として、本書を手に取ってもらえたら、これに勝る喜びはない。
共感の声が続々!
ゲラを読んでくださった書店員さんやプログラマの方々から、続々と共感の声が寄せられています。
・私はこの本から今の自分に足りてない視点と勇気をもらった。読み終えた今強く思うのは「明日からの仕事が今日よりも楽しみ」ということだ。
――大垣書店 烏丸三条店 三木健太郎
・著者の経験値を「これでもか」と詰め込んだ濃い内容なので、ぜひ多くの「仕事に邁進する」方々の指針にしてほしい一冊です。
――ブックスルーエ 富田浩司
・仕事の意味を見失っていた過去の自分に読ませてあげたい。
――出版社に転職してきた元プログラマ
イベントを2つ開催します!
本書の刊行を記念して、2つのイベントを開催予定です。
【9/25 (金)19時~ @大垣書店&lounge 烏丸三条店 (京都))】
『自分と仕事をいい感じにする 仕事技芸論』刊行記念
著者と語らう読書会
参加費:550円(税込み)
リアル開催のみ(オンライン配信なし)
※大垣書店烏丸三条店にて、本書もしくはミシマ社刊行の対象書籍をご購入のうえでご参加ください。
倉貫さんの⾔葉を読み、聞くと、⾃分の⽬の前の仕事の捉え⽅が変わってくることは、版元のミシマ社⼀同が深く実感しているところです。そんな時間をぜひ、読者のみなさんと共有したいという思いで開催します。
会場は、全国の本屋さん。第一回は大垣書店 烏丸三条店にて開催いたします。
読書会は、本の中の一部分を一緒に読み、問いをもとに皆で話をするかたちで行いますので、事前に読んでいなくてもご参加可能です。
本を通して、参加者のみなさまと、いろいろなお話ができたらと思います。
【9/28 (月)19時~ @青山ブックセンター本店(東京)】
『自分と社会をいい感じにする 仕事技芸論』発刊記念
倉貫義人×堀部安嗣トークイベント
仕事を「道」として深めるには? ~システム開発と建築から語る
参加費:1650円(税込み)
リアル開催のみ(オンライン配信なし)
こちらのイベントでは、ゲストに建築家の堀部安嗣さんをお招きします。
堀部さんは、建築家として現場の一線に立ちながら、事務所の若手を育てる経営者でもあります。建築という、再現性がなく、毎回、その土地や住む人の状況や歴史を統合していく、まさに技芸的な仕事について、自著で次のように表現されています。
アーキテクチャーを正確に訳せば、「何とか道」ではないか、という話なんです。茶道、華道、柔道、武士道のような。そうなると建築の見え方が変わってくると思うんですね。
――(『建築と利他』第4章)
一方、倉貫さんは、システム開発会社の組織運営のあり方を模索するなかで、宮大工の語りをまとめた『棟梁 技を伝え、人を育てる』という本にたどり着き、これをヒントに、現代版の徒弟制度をつくりあげていきます。
システム開発と建築。それぞれの仕事における「道」、「技芸」は、どのように重なり、どのように違うのか。仕事観やスタッフ育成の話などを語らいながら、これからの時代の働き方のヒントを探ります。奮ってご参加ください。



